【医師監修】睡眠の質を上げる方法!睡眠サイクルを改善しぐっすり眠る

睡眠の質

睡眠の質を上げる方法はあるのでしょうか。毎日、決まった時間に寝ようと試みたとして、「中々寝つけない(入眠障害)」「何度も夜中に起きる(中途覚醒)」「思った以上に早く目が覚めた(早朝覚醒)」「十分寝足りない(熟眠障害)」

これらのいずれかが起こっているならば、睡眠の質が落ちているのかもしれません。

では、睡眠の質を高めるために何かできることはないか、考えてみたいですね。

本記事では、睡眠の質についての基礎知識や高める方法など、わかりやすく記載しました。不眠や睡眠の悩みをお持ちの方は、エネルギッシュな日々を送るためにも、できるものから取り入れてみてください。

ご協力いただいた医師
【所属】クリニックフォア新橋 院長
【お名前】圓山 尚

【監修医師プロフィール】
金沢医科大学卒業後、クリニックフォア新橋の院長。皮膚科は内蔵の疾患やアレルギーとの結びつきも多く、内科、アレルギー科も含め総合的に捉えて診療するよう努めています。

睡眠の質を高める!睡眠の重要性を知り快適な生活を

睡眠の重要性

睡眠の質を高めるために、いくつか方法はあります。そもそも睡眠の質とは何か、睡眠の周期(レム睡眠とノンレム睡眠のサイクル)など、睡眠にまつわる事前知識を簡単に抑えておくことで、自分にとってどういった対処法がぴったりなのか、見えてきます。

まずは、睡眠の質について理解しましょう。

睡眠の質とは?

睡眠の質とは何を指すのでしょうか。睡眠の質は、一言では言い表しにくく、様々な要因が重なって、良い・悪いと言えます。

ある意見では、単純に「睡眠の深さ」のことを指すケースもありますが、睡眠の深さだけでなく、睡眠時間の長さも大切です。

正常であれば、入眠後最初の1回は深い睡眠(ノンレム睡眠)がやってきます。そして徐々に、眠りの深さが緩やかになり、徐々に覚醒していきます。

さらに睡眠の質だけにとどまらず、日中も含めたトータル的な生活を考えると、昼夜のリズムがきっちり保たれており、日中、眠気に襲われることも少なく、居眠りせずに、エネルギッシュな活動ができていれば、良い睡眠を得られている状態と言えます。

そのほか、睡眠の途中で覚醒が少なく、朝起きた際はすっきりと目覚め、満足度も高く(熟眠している)、起床後はスムーズに行動できる状態ならば完璧と言えるです。

そのほか、入眠までの時間もさほどかからず、日中の疲労感も少ないことがあげられます。こちらは、厚生労働省の資料で示されている「睡眠の質評価指標」を見ると納得できます。

睡眠の周期(サイクル)を整える

寝ている間に中途覚醒が起こらず、朝すっきり起きることができるなら、睡眠の周期(睡眠サイクル)が整っているといえるでしょう。

では、睡眠の周期とは何なのでしょうか。

睡眠の周期は、深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠を交互に繰り返します。1セットおおよそ90分と言われており、正常であれば、これを繰り返していきます。

しかし、何かしらの要因で睡眠のサイクルが狂ってしまうこともあります。また、ノンレム睡眠には、4段階の眠りの深さがあると言われており、正常では、一番深い4段階目の深さまで到達するところが、不眠症の方では十分な睡眠の深さを得られていないという報告もあります。

レム睡眠・ノンレム睡眠の関係性

レム睡眠とノンレム睡眠の持ちつ持たれつの関係性について解説いたします。

入眠後まず、ノンレム睡眠からスタートします。一気に深い眠りにつき、身体を休ませることに集中します。身体が休んでいる最中は、脳の指令も身体に対しては行わず、記憶の整理や定着が行われます。

やがて眠りが浅くなり、レム睡眠へと移行していきます。夢を見るのはレム睡眠の間が多いです。 ノンレム睡眠の時間帯は、レム睡眠に比べると短く、半分にも満たないです。

  • ノンレム睡眠……60分~80分ごと
  • レム睡眠……10分~30分ごと

ノンレム睡眠は、深い眠りの状態にあり、脳も眠ります。そのため、交感神経や脳を休めることに繋がります。レム睡眠は、主に身体を休ませる時間帯で、脳は起きているため、記憶の整理や定着など働きます。

まとめると、睡眠の中には、レム睡眠とノンレム睡眠があり、身体だけでなく、脳も十分に休まってこそ、質のいい睡眠が得られていると解釈できます。

また入眠直後は、成長ホルモンが分泌されます。こういったホルモンも正常に分泌されていることで、睡眠の質が保たれているのです。

ノンレム睡眠には4段階ある

ノンレム睡眠の中でも、浅い段階から深い段階まで、大きく4つに分けられます。細かいことは省きますが、段階1は浅い睡眠で、睡眠としての意義は少ないと言われ、脳の十分な休息は得られないとも言われており、十分な脳の休息のためには睡眠の段階を深くしていく必要があります。

十分な睡眠感を得るためには、段階2以上の眠りの深さが必要とされています。深ければ深いほど、脳が休まっているため、睡眠の状態を測る上で、参考になります。

睡眠アプリなどで自分の睡眠効率を知る

ぐっすり眠れたとしても、それは本人の感覚でしかなく、実際にはぐっすり眠れていないケースもあります。

わかりやすく視覚化できれば対処がしやすいです。そのため、アンドロイドやアイフォン用のアプリで睡眠の質を測ってみるのは参考になります。

スリープサイクルやスリープマイスターなど、寝ている最中に眠りの深さを記録してくれるアプリが有名です。

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Sleep Meister - 睡眠サイクルアラームLite

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有料アプリ、一部無料で利用できるアプリなど様々です。ただしこれらのアプリを使いこなすためにも、ここに書いてあるような睡眠についての多少の理解は必要です。

日々、実践しながら理解を深めて、活用してみてください。

実際に眠りが深くなっているなら睡眠の質は高いと言えますし、改善したいポイントがあるなら、次の章で取り上げる睡眠の質を高める方法を取り組み、実際に効果があったかを確認してください。

睡眠の質を高める方法!できるものから取り入れる

睡眠

睡眠の質について理解したところで、睡眠の質を高めていく方法を実践していきましょう。

どれかひとつをやったら良いわけでなく、複合的に試してみて、睡眠アプリなどで睡眠の深さや波形を確認し、理想形に近づけてください。

また、睡眠の質を向上させる目的は、日中にも眠くならずに活力あふれる一日を過ごすことです。

睡眠アプリで確認できる点は、ひとつの参考として押さえておき、日々の生活がメンタル的にも身体的にも充実しているとなれば、目的は果たされたと言えます。

毎日規則正しい生活を志す

睡眠の質を上げる方法として、適切なサイクル(ルーティーン)を続けることが重要です。朝起きて寝るまでの時間は、規則正しいですか?

もちろん、プライベート上での交友関係やや仕事上のお付き合い、子育てや夫婦間のイベントなど、生活習慣を乱してしまいがちなイベントもゼロではありません。

完璧に同じことを繰り返すのは、現代社会において難しいです。ですので、1日ちょっと乱れた生活があったとしてもそれを意識できれば、翌日はセーブすることができるため、大きく生活習慣が乱れることはないでしょう。

例えば、朝起きる時間は、出社する2時間前(本格的な活動を始める2時間前)とし、朝食を摂る、日光を浴びる、朝の散歩など、良き習慣を取り入れ、精力的に仕事を行い、夜は遅くとも23時~24時までには寝たいところです。

寝る前の習慣として、湯船にしっかり浸かる入浴を行い、照明もオレンジ系の間接照明に切り替え、リラックスタイムを始めましょう。パソコンやスマートフォンを寝る直前に見るのは脳に刺激を与えてしまうため、厳禁です。

寝る前は電子機器に触れないようにしておくと脳が休まります。

日中や夜早い時間は、人それぞれ生活習慣が異なりますが、朝の時間や夜の時間は共通している点も多く、取り入れられそうなこともあるのではないでしょうか。できることからやってみてください。

十分な睡眠時間をとる!長く寝ればいいの?

良質な睡眠を得るためには、長く寝れば良いのでしょうか。

一般的に睡眠の質と睡眠時間の長さの関係性はあまりなく、睡眠のサイクルが4~5周するくらいで十分であると言われています。

最初の2サイクルで深い眠りにつき、3サイクル目からは、ノンレム睡眠も徐々に浅い眠りになっていきます。人によっては、2~3サイクルで十分というショートスリーパーの方や、4サイクルは寝たい方、5サイクル(7時間半)くらい寝てちょうどいいという人もいます。

睡眠時間に関しては、ご自身の中でちょうど良いという時間を見つけてください。

睡眠ホルモン メラトニンの分泌を増やす

睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌量を増やすのも、睡眠の質を上げる上で重要です。

メラトニンは、分泌が始まると2時間程度で眠気が出てきます。分泌量が多いほど、強い眠気を感じ、深い眠りにつきます。逆に少なくなると眠りが浅くなるとされています。

メラトニンの量を増やしていくためには、いくつか方法があります。

  • 朝、日光を浴びる
  • メラトニンの原料であるトリプトファンを多く含む食べ物を摂取する(バナナ、納豆など)
  • 夜、眩しい光を浴びすぎない
  • 夜は気持ち暗めの部屋で過ごす(入浴時の照明も暗めにする)

特に照明に関しては、夜間に強い光を一定時間にわたり浴びると、脳はまだ昼間だと認識してしまいます。スーパーやコンビニの光(LED)は、1,000~2,000ルクスとかなり高めです。

直射日光は10万ルクスもの強い光ですが、日中のオフィス内は400ルクス程度、日が差し込む窓際で2,000ルクスと、コンビニの光は日中浴びている光の光量に近いということがわかります。

強い光を浴び続けると、今の時間が昼なのか夜なのか、脳が判断できなくなるため、メラトニンの分泌が弱まってしまいます。

そのため、夜に強い光を浴びるところにはできる限り行かず、照明も落とした場所でリラックスタイムを満喫しましょう。

睡眠の質を高めるサプリメントを活用する

睡眠の質を高める方法として、食事の要素は大きいです。きっちり朝食含めて3食を摂ることが出来るのであれば問題ないのですが、習慣が身につくまで時間がかかります。

そこで、睡眠サプリメントと言われるものを活用すると良いでしょう。

睡眠サプリは、ドラッグストアで手に入る市販品から、成分にこだわって作った通販品など多岐にわたります。

自然界の中でも、睡眠素材と言われている天然素材もあります。ネムノキやトケイソウ、クワンソウなどが有名です。

また、メラトニンの原料となるトリプトファンをそのまま含んだサプリもあります。

毎日忙しく、朝食も摂りにくいと言う方は、こういったサプリメントを活用しても良いでしょう。

シャワーではなく入浴!身体の深部まで温める

入浴も睡眠の質を高めていく上で、重要なイベントです。忙しい日々が続くとどうしてもシャワーの日々が増えるのではないでしょうか。就寝2時間程度前に十分に時間をとった入浴を行い、身体の深部まで温めてください。

湯船に浸かることで、リラックス効果を促し、眠気が増えます。さらに、身体の深部が温まることで、熱を放出する作用が働きます。

寝る際には、身体の深部を冷やすため、手足に血液を流します。身体の調整が自然と働くことも良質な睡眠(入眠のしやすさ)に変わっていくため、合わせて覚えておくと良いでしょう。

寝具を見直す!良い枕や布団の選び方

寝具を見直すことも睡眠の質を高めることのひとつに繋がります。

自分にぴったりな布団やマットレス、枕を使うことで寝ている間の身体への負担が減ります。

布団や枕が合っていないと、睡眠の質が下がりますし、身体の痛みで起きてしまうこともあるでしょう。

身体の痛みを改善してくれる布団として、多少の厚みがあり、底付き感がない布団が良いとされています。

低反発のマットレスも良いでしょう。体圧を分散させながら、身体をきっちり固定する布団は、熟眠に最適とされています。

また、衛生環境も重要視しましょう。敷布団・ベッド問わず、布団を清潔に保ちましょう。

敷布団にホコリがついていると、ハウスダストのアレルギーを持っている人では影響が出ることがあります。

また、寝ているときの汗や皮脂などもダニの原因になるため、小まめに洗えるタイプの布団が良いでしょう。

寝具に関する衛生環境をきっちり保ち、低ストレスな睡眠環境を作り上げましょう。

睡眠の質が悪い原因は?睡眠負債が積み重なっている?

睡眠の質が悪い要因

睡眠の質が悪い原因を知っておきましょう。

睡眠の質を上げる方法を知っても、その反面で睡眠の質が悪くなることをやってしまっていては本末転倒です。合わせて対処していくことが、良質な睡眠を得て、精力的に活動できるようになります。

日中何度も眠くなると睡眠負債が貯まっている

睡眠負債という言葉は聞いたことありますか?

睡眠負債は、寝不足が続くことで、借金のように積み重なっていき、身体のいたるところで不調を感じるようになる現象です。

睡眠時間の質を高めれば、短時間の睡眠を続けても、身体も脳も十分に休まっているように感じます。

しかし、睡眠時間が6時間未満を続ける場合、死亡リスクが上昇することや、集中力の低下、免疫力の低下などが認められるという報告もあります。

病気や怪我、事故のもととなるリスクがあると言えるでしょう。また生活習慣病のリスクも高まり、肌へのダメージや精神的なダメージも招きやすいと言われています。

睡眠負債は、単純に睡眠不足が積み重なっているケース以外にも、夜勤や早朝勤務など、変則勤務によるもの、生活リズムの乱れ、中途覚醒や夜間頻尿などの睡眠障害も原因になります。

睡眠負債を解消するに、休日の寝貯めを考えがちです。しかし、普段と異なる睡眠時間は、生活リズムを崩してしまうことにも繋がります。睡眠時間が短い人は、時間の使い方をうまくして、30分でも早く寝るように心がけましょう。

睡眠のリズム障害4選の治し方

変則的な生活リズムを続けている人は、睡眠のリズム障害が起きている可能性が高いです。

睡眠のリズム障害は、大きく分けて4つあります。

①睡眠相後退症候群

睡眠相後退症候群は、眠りたい時間に眠れず、夜ふかし傾向になってしまうため、朝決まった時間に起きることができない状態です。

無理して起きようとすると、頭痛や倦怠感などの不調が起こり、日中、集中力が低下し、常に眠い、身体が重いなど起こります。

いわゆる典型的な夜型人間になっている状態です。

このような方は、徐々にでいいので、寝たい時間に寝て、起きるべき時間に起き、朝日を浴びるようにしていくことで治すことができます。

メラトニンの分泌量も減少していると考えられるため、トリプトファンを多く含む食べ物を特に朝食に選ぶか、睡眠ホルモンを作る原料となるサプリメントを活用しましょう。

②睡眠相前進症候群

早い時間に寝てしまい、深夜帯に目が覚めてしまい、その後は眠れないという状態です。深夜から活動を始めるため、日中の活動は問題なくできますが、夕方になると眠くなり、夜間の活動はほぼできなくなります。

深夜に仕事がある人は、このリズムが正常と言えますが、休日や別の仕事に変わった際にリズムが崩れてしまいます。

治し方は、明るい光を浴びる光療法や、カフェインを活用する、または薬物療法になります。

③非24時間睡眠覚醒症候群

非24時間睡眠覚醒症候群は、毎日1時間ずつ寝る時間が後ろにずれていく症状です。決まった時間に入眠し、決まった時間に起床することが困難になっていきます。

体内時計は約25時間の周期で回っており、朝日を浴びることでリセットされます。それがうまくいかずにずれていくパターンが多いとされています。

起きる時間、寝る時間がバラバラになってしまうため、通常の社会生活が困難になってしまうこともあります。

④不規則睡眠覚醒パターン

一日の総睡眠量は正常であるものの、1日に何度も寝て起きるという行動を繰り返していると、不規則睡眠覚醒パターンと呼ばれる状態に陥りやすいです。

脳の障害があって起こっているパターンもあり、医師の診察が望ましいです。昼夜の区別をきっちりつけ、規則正しい生活を送る努力をしていく必要があります。

⑤その他

病気や睡眠障害と異なりますが、一時的に睡眠の悩みとしてあらわれる症状もあります。

例えば時差ボケ。時差が異なる地域へ行った際、睡眠時間をうまく調節できなくて日中眠くな理、夜は眠れなくなった経験はないでしょうか。時差ボケも睡眠のリズム障害のひとつと考えられるでしょう。

また、シフト制による交代勤務も睡眠のリズム障害を起こす可能性もあります。もちろん仕事上致し方ない点もありますが、できる限り規則正しいリズムを作っていきましょう。

食生活の乱れ!睡眠をサポートする食事を心がける

睡眠の質を悪くするひとつとして、食事の影響も考えられます。睡眠ホルモンと言われるメラトニンが正常に分泌するためには、メラトニンの元となるトリプトファンというアミノ酸が必須になります。

トリプトファンが多く含まれる食材は、バナナや牛乳、ヨーグルト、アーモンドや肉類、納豆などです。

バランスのいい食事を行っていれば、極端に不足することはありませんが、食事をインスタント食品で済ませることが多い人などは、注意が必要です。

食べる時間も重要で、朝食にトリプトファンを多く含むメニューを多く摂ると良いでしょう。

睡眠の質を高める行動で毎日エネルギッシュな生活を

睡眠の質を高める行動

睡眠の質を高める行動は、健康的で規則正しい食事と入眠時間・起床時間を意識することです。

睡眠の深さと長さの両方を意識すれば、睡眠の質も上がっていくでしょう。また、寝床の環境も重要です。不快な要因が多いと、夜に起きてしまう可能性もあります。

利尿作用のある飲み物や、覚醒作用のあるカフェインの摂取を夜は控えること、朝起きたらきっちりと朝日を浴び、メラトニンの分泌リズムを整えること。 睡眠の質を上げていくための注意点はたくさんあります。

できることをひとつずつ取り入れ、徐々に睡眠の質を上げ、毎日エネルギッシュな生活を送りましょう。